インサイトと実行:アナリティクスが重要な理由

製品を構築する目的は、顧客にとって価値があるものを作り出すことです。製品が生活を楽にしてくれたときに喜びを感じるためにこそ、顧客はお金を払います。

製品の改善には終わりがありません。顧客に提供する価値を高める方法は、必ず存在します。問題は、何を改善すべきかをどのように決めるかということです。

アナリティクスを使用しても直感に基づいても開発を進めることができますが、アナリティクスを使用すれば、顧客が求めているものを確実に開発できます。直感に基づくのであれば、幸運を祈るのみです。

これを踏まえて、製品を開発するためのアナリティクスの3大活用方法について説明します。

1. ユーザーエクスペリエンスをパーソナライズする

パーソナライズは、アプリへのエンゲージメントを促すための非常に強力なツールの 1 つですが、そのためにはデータを収集する必要があります。データの正確な収集と統合は、これまでになく急成長しているソーシャルネットワークである Facebook のベースとなっています。

Facebook の 10 日間で 7 人の友人という指標のお話を耳にされた方も多いかと思います。導入初期に、ユーザーが最初の 10 日間に 7 人の友人を追加した場合、Facebook を利用し続ける可能性が非常に高いことが判明しました。同社はすべてのユーザーがその目標に達するよう団結しました。その続きは言うまでもありません。

そのような急成長を実現するために Facebook に必要であったのは、他の連絡先を同社のネットワークに簡単に取り込めるようにすることでした。これは高度な魔法のように見えるかもしれませんが、自社のアプリケーションで簡単にできます。

Auth0 のシングルサインオン(SSO)を使用すれば、そうした顧客データを他のソーシャルプラットフォームから自動的に収集できます。

Auth0 の Social Connections ダッシュボードを使用すれば、スイッチを切り替えて、Auth0 がサポートする 30 種類以上のプラットフォームのいずれかで SSO を有効にするだけで済みます。このように、ユーザーが Facebook、Twitter、LinkedIn、Google などのプロバイダ経由で認証を行った場合、連絡先リストをすぐに取得して、ソーシャルネットワーク内のユーザーとつながることができます。

Social Connections

すべてのユーザーが大切に扱われていると感じるためにまずすべきことは、ユーザーの人物像を把握することです。つまり、連絡先リストだけでなく、住所や所在地、誕生日、職歴、学歴など、多くの情報が必要です。Auth0 の Social Connections を使用すれば、こうしたデータすべてを簡単に収集できます。

2. 最適な製品/機能を構築する

アナリティクスを使用すれば、顧客自身が必要とするものに気づく前に、顧客の望む製品を構築できます。

「アナリティクスを使用すれば、顧客自身が必要とするものに気づく前に、顧客の望む製品を構築できます。」

この最たる実例は、Netflix です。このストリーミンサービスは、次のような膨大な量のデータを収集しています。

  • 時間帯ごとの視聴習慣
  • 視聴に使用しているデバイス
  • 類似する顧客が視聴している番組

このデータは、Netflix が『House of Cards(ハウス・オブ・カード 野望の階段)』を撮影する前に、視聴者に好まれる番組を制作するのに役立ちました。Netflix は、この番組がやがて第 32 回エミー賞#Accolades)にノミネートされるとは思いもしませんでしたが、この番組の制作にゴーサインを出す前に、おそらく成功するであろうことは知っていました。どうやってそれを知ったのかというと、顧客アナリティクスによってです。

『House of Cards(ハウス・オブ・カード 野望の階段)』 - アナリティクス

[出典: BrainFoodTV]

ユーザーアナリティクスを調査した結果、Netflix は 3 つの視聴者グループに重複する部分があることに気づきました。それは、ケビン・スペイシーのファン、デビッド・フィンチャーのファン、そして英国の『House of Cards(ハウス・オブ・カード 野望の階段)』オリジナル版のファンです。この知識を活用して、Netflix は番組の米国でのリメイク権を購入しました。そして、デビッド・フィンチャーに監督を依頼し、ケビン・スペイシーに制作総指揮を依頼しました。

Netflix は『House of Cards(ハウス・オブ・カード 野望の階段)』に数百万ドルを投じましたが、このコンテンツが視聴者を獲得していることがわかっていたため、リスクは軽減されました。

制作する前に視聴者を獲得できることがわかっていれば楽ではありますが、それはパズルのワンピースにすぎません。エンゲージメントを獲得した後は、その視聴者を定着させる方法も見つける必要がありますが、その点でもアナリティクスが効力を発揮します。

3. 真に定着力のあるアプリを作成する

アプリは初めて開いたときに顧客にとって非常に魅力的なものであっても、その 1 日後には顧客がまったく興味を持たなくなる可能性があります。実際に、平均的な Google アプリは 30 日以内に 1 日のアクティブユーザーの 90% を失っています。

顧客エンゲージメントを維持する魅力的なアプリを作成するカギは、アナリティクスを活用して、新規顧客のみならず、既存顧客を惹きつける方法を見つけ出すことです。この例の 1 つに、「行動コホート分析」 があります。

モバイルおよび Web アナリティクスサービスの Amplitude は、「「行動コホート分析」を、「新規ユーザーすべてではなく、特定のアクション(または一連のアクション)を実行するすべてのユーザーを観察し、それがユーザーの定着にどのように関連しているかを観察すること」であると説明しています。

生活の自動記録アプリである Heyday は、行動コホート分析を使用して、さまざまな機能を使用する顧客の定着率の比較を行っています。次のグラフには、Heyday を使用して写真のコラージュを作成した顧客が青色で表示されています。Heyday の写真の表示のみを行った顧客は、赤色で表示されています。

『House of Cards(ハウス・オブ・カード 野望の階段)』 - アナリティクス

[出典:Amplitude]

ダウンロード後の最初の日はグラフ上で「Day 1」と表示され、そこから急激に減少しています。次の 14 日間で、顧客グループは両方とも減少し続けています。ただし、14 日を過ぎると、コラージュ機能と編集機能を使用した顧客グループの減少が止まります。もう一方のグループでは、顧客は引き続き減少しています。

写真編集機能を使用した顧客の定着率は高いことがわかったため、Heyday は顧客の定着があまり見込めない機能にエネルギーを浪費するのではなく、定着率の高い機能の構築にリソースを集中的に投入しました。

顧客は常に正しいのです。顧客が最もよく使用する機能が最適な機能であり、アプリの定着力を高めるものなのです。どの機能を優先するかがわかれば、最も重要な機能にリソースを集中的に投入できます。

情報に基づいて実行する

Auth0 はアナリティクスプラットフォームではありませんが、アナリティクスプラットフォームが提供するインサイトを利用すると実行しやすくなります。例えば、Auth0 ルールを使用すると、分析インサイトを取得し、実用的な戦略へとすばやく簡単に変換できます。

Auth0 ルールは、ユーザーがアプリケーションに対して認証を行うたびに実行される機能です。たとえば、ユーザーが Twitter を通じて認証するアプリを構築したとします。アナリティクスプラットフォームにより、顧客との電子メールエンゲージメントが定着率を向上させると判明した場合は、Auth0 ルールを使用して顧客の電子メールアドレスを収集し、認証時に自動的に連絡することができます。

ここでまず行うべきことは、Twitter で認証を行うときに電子メールアドレスを取得することです。このルールは、次のわずか 2 行のコードで構成されています。

user.app_metadata = user.app_metadata || {};
var email = user.email || user.app_metadata.social_email;

電子メールアドレスを保存したら、Auth0 のセグメントルールを使用して顧客データをセグメントに送信し、セグメントのドキュメントである Customer.io integration を使用して電子メール送信自動化プロセスを開始します。とても簡単です。

コードは次のようになります。

function (user, context, callback) {
  if (context.protocol === 'delegation') {
    return callback(null, user, context);
  }

  const request = require('request');

  if (context.stats.loginsCount > 1) {
    sendEvent('Logged in');
  } else {
    sendEvent('Signed up');
  }

  function sendEvent(e) {
    const sioTrack = {
      userId: user.user_id,
      event: e,
      properties: {
        application: context.clientName
      },
      context: {
        ip: context.request.ip,
        userAgent: context.request.userAgent
      }
    };

    // Segment API returns 200 OK for all its request. For possible errors
    // you must use Segment's Debugger (https://segment.com/docs/libraries/http/#errors)
    request({
      method: 'POST',
      url: 'https://api.segment.io/v1/track',
      headers: {
        'Content-type' : 'application/json',
        'Authorization': 'Basic ' + Buffer.from(configuration.SEGMENTIO_WRITE_KEY + ':').toString('base64')
      },
      body: JSON.stringify(sioTrack),
    });
  }

  callback(null, user, context);
}

Auth0 を使用して 1 時間未満で分析結果を実行に移し、定着率を向上させることができます。

アナリティクスは成長モードを維持する

急成長を維持するカギは、実験し続けることです。常に新しいことを試して、顧客により良い製品を提供できるように製品を構築する必要があります。

ただし、実験によってリソースを浪費するのではなく有効な結果を得るには、入手可能な最高のアナリティクスに基づいて実験を行う必要があります。クルマに例えると、実験は成長の車体の部分にあたりますが、アナリティクスはエンジンに相当します。