AdobeやAWSといった巨大Tech企業の日本市場進出をサポートした後、コミュニティマーケティングのエキスパートである小島英揮さんは、StripeやCircle CIそして直近ではAuth0といったスタートアップ企業の日本市場進出をサポートしています。約20年に渡るマーケティングのキャリアの中で、マーク・アンドリーセンが唱える ”SOFTWARE is eating the world” というムーブメントを体感すると同時に、魅せられてきました。「クラウドコンピューティングの波が、全ての変化を劇的に速くしていっています」と小島さんは語ります。このイノベーションが起こるペースの速さが、小島さんが今なおTech分野でマーケティングの最前線に立ち続ける理由の一つなのです。

もう一つの理由は、言うまでもなくお客様の存在です。

小島さんがマーケターとしてのキャリアをスタートした頃はプロダクトが主役でした。その後のクラウド時代に生まれた、サブスクリプションや従量課金制という新しいビジネスモデルが、お客さまをマーケティングの主役のポジションに押し上げたのです。

企業はその成長のため、お客さまの声を企業経営に反映させるフィードバックループを注意深く回していく必要性がどんどん増してきています。そして、その中核がコミュニティを通じたお客さまとの対話になるのです。このフィードバックループにおけるインプットの多さがTech分野でのマーケティングを面白くしているのだ、と小島さんは語ります。

小島さんと、彼がAuth0の日本市場進出のサポートを行うことを選んだ理由や日本で成長するコミュニティの秘訣、そしてグローバルなムーブメントを起こすために必要なことをお話しました。

コミュニティマーケティングのどんな側面が企業の成功に重要とお考えになりますか?またその理由を教えてください。

コミュニティの成長には3つの原則があると思います:オフラインファースト、コンテキストファースト、そしてアウトプットファーストです。

オフラインファースト:一見スケーラブルに見えるため、コミュニティの成長のカギはオンラインコミュニケーションと考えがちですが、多くの場合でコミュニティ成長の最初の着火点はオフラインのコミュニケーションです。一般的に、個人的に知っている人の意見は受け入れやすいと思いますので、コミュニティはオフラインのミートアップから始め、次にオンラインのコミュニティを作っていくべきです。

コンテキストファースト:継続的な活動のためには、単に人を集めただけではダメで、参加者全員に共通の動機やビジョン、ゴールが必要です。これはコミュニティの立ち上げ、成長でも全く同じで、コミュニティ参加者全員に共有されるコンテキストの設定が重要です。

アウトプットファースト:コミュニティの成長のため、Meetupを開催したら、そこでディスカッションされた内容や資料は外部に共有される必要があります。このようなアウトプットがないと、コミュニティにまだ参加していない人達がコミュニティを見つけることができず、彼らの参加の機会を奪ってしまいます。アウトプットは質問やコメント、新たな考えを引き出し、コミュニティを創り上げるエンゲージメントのサイクルを引き出すのです。アウトプット → インプット → アウトプットのサイクルが、コミュニティの影響力を増大させるうえでのカギとなるので、アウトプットから始めることがとても重要なのです。

なぜAuth0を選んだのでしょう?

ご存知の通り、私は同時に複数のクラウドサービスプロバイダー(これらのサービスはすべてAWS上で稼働しています!)で働くパラレルマーケターですが、そのサービスは、いずれもクラウドビジネスのカギとなる分野から選んでいます。例えば、オンラインペイメント、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)やコラボレーション等です。そして、認証・認可プラットフォームも、確実にクラウドビジネスでカギとなる領域であると考えています。Auth0はこの領域のリーディングプラットフォームのひとつつであり、それがAuth0を選んだ大きな理由です。

日本でコミュニティの重要性が増してきていることに関し、企業はどんな点に注目していますか?

特にB2B領域で、コミュニティの影響力はどんどん大きくなってきています。そのことはAWSジャパンとJAWS-UG(Japan AWS User Group)が証明してきたと思います。JAWS-UGはつい先日、2019年2月23日に年次のカンファレンス”JAWS DAYS”を開催したばかりですが1,900名もの参加者がありました。この年次イベントは7年前に始まり、100%コミュニティメンバーによって運営されています。このトレンドを見て、多くのB2Bベンダーは、自社サービスのために同じようなムーブメントを起こそうとしています。これは、最近の日本のB2B企業で、よく見られる行動の変化と言えます。

グローバルにコミュニティを成長させるために、アドバイスを頂けますか?

適切なリーダーとフォロワーを各地域のマーケットで見つけるべきです。そして、リーダーもフォロワーも既存のお客様の中に見つけることができるはずです。その人たちは大企業に所属している場合もあれば、スタートアップに所属している場合もあるし、個人のディベロッパーの場合もありますが、会社の規模や、個人の肩書は問題ではありません。大切なことは、そのサービスに対する熱意です。お客さまとオフラインでのミーティングや、カスタマーサクセスチームからのリコメンデーション、またはソーシャル・ネットワークから得られる情報から、どのお客さまがそのサービスに対して熱意を持っているかを見極めることができます。サービスに熱狂するお客さまを見つけることができれば、どの地域ででもムーブメントを起こすことが可能です。

Auth0 について

Auth0 は IDaaS (Identity-as-a-Service)におけるグローバルリーダーで、Web やモバイル、モノのインターネット (IoT)、内部アプリケーションで必要とされるユニバーサル ID プラットフォームで何千もの企業顧客に提供しています。ひと月15億回以上のログインをシームレスに認証・保護するその拡張プラットフォームはデベロッパーに愛され、グローバル企業に信頼されています。米国本社はワシントン州ベルビュー市に位置し、ブエノスアイレス、ロンドン、東京、シドニーにもオフィスを構え、70か国以上のお客様をサポートしています。 詳細については、https://auth0.com/jp/ をご覧いただくか、@auth0_jp on Twitter をフォローしてください。