本記事は 2025年4月17日 に更新された「Demystifying Social Login」を翻訳した記事です。
ソーシャルログインは幅広い地域、年齢、コミュニティで使用されているログイン方法になっています。人々は世界中でソーシャルメディアを通じてつながっており、ソーシャルログインを活用するとシームレスで安全にログイン体験を提供できます。ですが、多くの一般ユーザーにはソーシャルログインの仕組みや、さらに重要なソーシャルログインが安全なログインやサインアップの方法である事は理解されていません。
ソーシャルログインは、Google、Facebook、X (旧Twitter)、Apple、Microsoft などの既存のソーシャルメディアのアカウントを使用して、Web サイトへのサインインやサインアップを可能にします。ユーザーが別のユーザー名とパスワードを記憶する認知的な負担を軽減し、一般ユーザーの 70% 以上が行ってしまっているパスワードの使い回しも防ぎます。数千を超える顧客が認証フローにソーシャルログインを統合しており、以下を実現できます。
しかしながら、一般ユーザーを対象とした Okta の調査ではソーシャルログインはサイバー攻撃に対して脆弱な認証方法だと認識がされている傾向がわかりました。
この認識を踏まえ、一般ユーザーの間で広まっているソーシャルログインに関する3つの一般的な誤解を解き明かし、アプリケーションで利用する際に注意すべき重要なポイントをいくつか紹介します。
ソーシャルログインに関する誤解
誤解 #1: ソーシャルアカウント (Facebook、Google、Microsoft) でログインすると、ソーシャルアカウントのデータが渡されてしまう。
ソーシャルアカウントのハッキングは、一般ユーザーにとって深刻で大きな懸念事項です。しかし、Google、Facebook、Apple、Microsoft などの多くのソーシャルログインサービスは、アカウントへのフルアクセスを許可せず、名前やメールアドレスなど、必要な情報のみを共有します。ソーシャルログインのプロバイダーは、ユーザーがログインするアプリケーションやWebサイトに限定された情報のみを共有します。ソーシャルログインは、アカウント登録時に保存するデータを最小限に抑えます。保存されるデータは少ない方が良いのです。
つまり、ソーシャルログインアカウントのデータは共有されません。ソーシャルログインは、アカウントの作成やログインのために認証する権限のみを提供します。加えて、多くのソーシャルログインプロバイダーでは、ユーザーがアカウント設定でアクセス権を確認、制御、取り消しでき、アカウントデータにアクセスするにはユーザーの許可が必要です。ソーシャルログインは、ユーザーがサインアップするアプリケーションやサービスに、プライベートメッセージ、閲覧履歴、その他の機密情報などのデータへのアクセス権を与えません。
誤解 #2: ソーシャルログインはパスワードよりも安全性が低い。
いくつかの理由から、ソーシャルログインはパスワードを使用するよりも安全な事が多いです。パスワードなどの従来のログイン方法は使い回されやすく、ハッカーが単純なパスワードを推測するといった一般的な弱点があります。ソーシャルログインは、パスワードを使わない認証方法によりリスクを軽減します。さらに、サードパーティのサイトやサービスへログインするための認証情報を作成したり保存したりしないため、ユーザーの認証情報の盗難やフィッシングのリスクが減少します。パスワードを利用する場合に MFA が提供されるとは限りませんが、ソーシャルログインではセキュリティを高めるための多要素認証 (MFA) が大抵の場合、提供されています。
ソーシャルログインでは Google、Microsoft、Appleのような大企業がユーザーアカウントの安全を保つために行っている投資を活用できます。これらの企業には 24 時間活動しているセキュリティ専門家のチームがあり、アカウントの異常で不審なアクティビティ、不正アクセス、ハッカーを監視しています。
誤解 #3: ソーシャルログインは簡単すぎるので安全ではない。
本当にシンプルですが、「アクセスの容易さ ≠ セキュリティの欠如」です。ソーシャルログインは、最先端のセキュリティ対策を活用しながら、ユーザーが本人であることを認証するプロセスを簡単にします。言い換えると、セキュリティを犠牲にしないシンプルな認証です。パスワードを記憶する方がより困難で、安全性も低くなります。脆弱なパスワードや使い回されたパスワードは、個人データとセキュリティに大きなリスクをもたらします。
セキュリティを高め、信頼を築く
ユーザーとの信頼を築くことは、単なる利便性の問題ではなく、より重要です。セキュリティへの強いコミットメント、明確なコミュニケーション、そしてユーザーが自身を守るための方法を提供することが求められます。ソーシャルログインはサインインを容易にしながらアカウントを安全に保ちますが、ユーザーは安全を確保するために追加の対策を講じるべきです。MFA を有効化し、Google、Microsoft、Apple のアカウントセンターで権限を確認し、アカウントのアクティビティを常に把握することが、セキュリティの強化に繋がります。Auth0 のような組織が、シームレスな統合を可能にする選択肢やサービスを提供することで、ユーザーはそれらを活用し、オンラインでのやり取りはより安全でシンプルになります。
ソーシャルログインを検討する準備はできましたでしょうか。アプリへの実装を開始し、詳細についてはこちらで学習ください。あるいは、ソーシャルログインに関するラボをいくつか試してください。